水無月、無病息災と暑気払いの思いを込めて――。
初夏の六月を締めくくるのは、平安時代の記録にも残る「夏越の祓」。村上地方では「なつこしのはらえ」と呼ばれていますが、地方によっては「なごし」あるいは「みなづきのはらえ」と呼ばれているそうです。
厚さが厳しく、病もはやりやすいこの時期、さらにちょうど一年の折り返し点でもある六月の晦日に、過ぎた半年間の無事を感謝して残り半年の息災を願う行事が名越の祓です。
また、古代より伝えられる禁裏の行事、六月朔日(毎月の第一日)の「氷の節句」ともいわれる「氷室の節会」。冬から奥深い山かげで貯蔵してきた氷を臣下に与え、夏の暑気払いと無病息災を祈念したといわれていますが、この二つの行事が結びついたのが「水無月」の習俗です。
祓の風習は地方によってさまざまですが、海に入って身体を清めたり、形代を川に流したり、茅やワラを編んで輪をくぐり抜けたりして、各神社では疫病除けの神事が催されます。
昔、庶民は夏に氷を口にすることはできませんでしたが、この習俗にあやかりたいという思いが、氷を模したお菓子を作り出したのです。
「水無月」は外郎(米粉・餅粉・小麦粉・砂糖を混ぜて蒸し上げたもの)で作るのが普通ですが、白い三角形は宮中に献上されていた「氷」を表し、上に散らした赤小豆には節分の豆まきのように、「赤」と「小豆」に邪気払いの意味が込められています。
また、小豆はビタミンB1などの栄養素を多く含んでいます。暑い夏を乗り切るためにはビタミンが必要で、その意味でも理にかなっているお菓子といえるのではないでしょうか。
これから本格的な夏が到来します。ことしの夏も暑くなるのでしょうか? ぜひ、みなさんのご家庭でもご家族の健康に感謝しながら、小豆を使ったお菓子を召し上がってみてはいかがでしょうか。
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季節の和菓子
あん焼
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